ワシントンで28日、議会上下両院の合同会議で施政方針演説をするため議場に到着したトランプ大統領=ロイター
トランプ米大統領が米時間の2月28日、米議会に向けて行った演説は、選挙期間中や就任式の演説と比べて落ち着いたトーンだったが、多くのテーマは共通していた。印象的なフレーズを読み解いた。(中井大助)
TPP離脱や壁の建設強調 トランプ氏、施政方針演説
トランプ氏「米国精神の再生を」【施政方針演説全文】
特集:トランプ米大統領
■差別解消の必要性を訴える
「我々は、いかなる形であっても、憎悪と悪を非難することで一致して立つ国だ」
We are a country that stands united in condemning hate and evil in all of its very ugly forms
トランプ氏は演説の冒頭で、最近ユダヤ教徒の墓地が荒らされた事件などに触れ、国内の差別解消の必要性を訴えた。事件が発生してもあまり言及しないことを批判されてきたが、姿勢が一転した。
■偉大さの新しい章の始まり
「米国の偉大さの新たな章が今、始まっている」
A new chapter of American Greatness is now beginning
就任演説では米国の惨状を訴えたが、今回は新たに明るい時代が始まっていると位置づけ、ケネディ元大統領が就任演説で用いた「(世代から世代へ)たいまつが継がれる」という表現も使った。「米国を再び偉大にする」という選挙スローガンを意識しながらも、トーンの違いを象徴する言葉となった。
■Roaring back
「死にそうな産業が再び、一気に活性化する」
Dying industries will come roaring back to life
「roar」は「ほえる」という意味。トランプ氏は製造業など、衰退した産業が一気によみがえるという意味で使った。