ブラジル・リオデジャネイロで2月28日、パレード中に事故が発生し消防隊員らに救助される女性=AP
華やかな踊りや豪華な山車で世界的に知られるブラジル・リオデジャネイロのカーニバルで今年、異例の事故が相次いだ。地元メディアによると、5日間のパレード中、大型の山車が崩れたり衝突したりする事故が4件に上り、少なくとも計32人がけが。年々進む山車の大型化で安全の確保が難しくなる一方、不況による経費節減も影響しているとみられている。
最初の事故が起きたのは、踊りや山車のレベルが最も高い名門サンバチームのパレードが始まった26日夜。大型の山車が制御不能になってフェンスにぶつかり、地元の記者を含む20人が骨折などの重軽傷を負った。27日夜には山車の3階部分が突然崩れ、上で踊っていた12人がけが。他の山車でも、一部が崩れてダンサーが落ちるなどの事故があった。いずれもパレードはそのまま続けられた。
地元メディアによると、現在のサンバ会場ができた1984年以降、今回ほど事故が相次いだのは初めて。地元警察が詳しい事故原因を調べているが、パレードの目玉である山車が大型化していることや、ここ数年の不況で企業からの協賛金が減ったため、中古の材料を利用したりしていることが背景にあるとみられる。今後、地元サンバチームや消防、検察が安全基準の制定に向けて議論を進める。(リオデジャネイロ=田村剛)