千葉ジェッツの島田慎二社長
今年1月にあったバスケットボールの全日本総合選手権で初優勝した千葉ジェッツ。船橋市を本拠とする創設6季目の市民球団で、Bリーグに統合される前のbjリーグとNBLの両方を知る唯一のクラブだ。急速に力をつけたチーム成績だけでなく、草創期に経営危機を救い、売上高や観客動員数の記録を塗り替えてきた島田慎二社長(46)の経営手腕にも注目が集まっている。
最初にクラブに招かれた2011年の秋、見せられた通帳の預金残高は数百円だった。県内のバスケット好きがクラブを立ち上げ、この年にbjリーグに参入したが、経営は素人の集まり。行き詰まった当時のオーナーが頼ったのが、旅行会社などの経営を経てコンサルタントとして活動していた島田さんだった。
1週間で40ページほどの再建計画のリポートを作って提出。仕事はそれで終わりのはずだった。しかし、しばらく執行役員として残って再建を手伝うことに。さらに12年、社長就任も打診された。一度は断ったが、「引き受けてくれないなら会社を清算する」と泣きつかれ、折れた。
未経験のスポーツビジネスの世…