記念撮影のため採れたイチゴを掲げる参加者=5日午前、宮城県亘理町、福留庸友撮影
震災からの復興と感謝の気持ちを表そうと、宮城県亘理町のイチゴ栽培のビニールハウスで5日、「同時にイチゴ狩りをした最多人数」のギネス世界記録に挑戦するイベントがあった。町内外から集まった1141人が5分以内に同時にイチゴを摘んだと認められ、世界記録を達成した。
亘理町は東北一のイチゴ産地として知られ、震災前は年に2200トンの生産量があったが、同町の作付面積の94%が津波で大きな被害をうけた。その後、復興交付金を使いビニールハウスを大型化、集約化し「イチゴ団地」を造った。生産農家の数は減ったが、2016年産の生産量は、震災前の約8割にあたる、1800トンまで回復した。
亘理町で生まれ、家族5人で参加した日下裕子さん(40)は「何もなくなった町を見たときは本当にショックだった。でも、6年でこんな楽しいイベントが開けるようになって、みなさんの努力のたまものなんだな」と感心していた。(福留庸友)