職員におぶわれて水たまりを渡る務台俊介・内閣府政務官兼復興政務官=昨年9月、岩手県岩泉町
務台(むたい)俊介・内閣府政務官兼復興政務官(衆院長野2区)が9日、政務官の辞表を提出し、受理された。昨年9月に台風被害の被災地を視察した際、長靴を持参せず政府職員におんぶされて水たまりを渡っていた問題に関連し、8日夜に開いた自身の政治資金パーティーで長靴業界がもうけたなどと発言し、批判が広がった。
務台政務官「大いに反省」 「業界もうかった」発言巡り
務台政務官、長靴持参せず「反省」 被災地視察でおんぶ
政府は後任に、自民党の長坂康正衆院議員(愛知9区)を起用する方針。
務台氏は昨年、おんぶされた映像がテレビやインターネットで流れて批判が集中。松本純防災相らから注意され、「不適切だった。大いに反省している」と謝罪した。しかし、今月8日のパーティーで「その後、政府が持つ長靴が、えらい整備されたと聞いている。たぶん長靴業界は、だいぶもうかったんじゃないか」と述べた。
発言を受け、菅義偉官房長官は「極めて不適切だ」として、務台氏を厳重注意。「国民に謝らないといけないことを笑いのネタにするやり方は許せない」(公明党の漆原良夫・中央幹事会長)など、与党からも批判が噴出した。
務台氏は9日、「不適切だった。大いに反省している」と記者団に語ったが、政務官職を続けるのは無理だと判断したとみられる。