返礼品の一つ、地元農園でとれたリンゴを使ったジュース。中村浩子さん(左)が丁寧に箱詰め作業していた=岩手県陸前高田市 [PR] ふるさと納税の返礼品の箱詰め作業を、東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市では障害のある人たちが担う。全国から寄せられた寄付を元に、新たな仕事が生まれている。 特集:ふるさと納税、被災地にエール 特集:3.11 震災・復興 「奇跡の一本松」を残して壊滅的な津波被害を受けた陸前高田市。かさ上げ工事が進む地域を抜け、9キロほど内陸に進むと作業場がある。
震災直後の岩手県陸前高田市=2011年3月20日、朝日新聞社ヘリから、安冨良弘撮影 薫製したタコやサンマのオリーブオイル漬け、リンゴジュースや昆布――。返礼品の大きさに合わせて箱を選び、詰めていく。「あっ!」。作業をしていた中村浩子さん(20)が粘着テープがはがれているのに気づき、さっと貼り直した。「大変だけど、ほめられるのがうれしい。仕事を始めてから何か変わったねと言われる」と笑顔を見せた。 作業をしているのは、知的障害や発達障害などがある人たちで、普段は陸前高田市や隣接する大船渡市の施設に通っている。作業は週1回ほどだが、年末年始の繁忙期は連日、作業場で働いている。 陸前高田市が震災後に休止していたふるさと納税を再開したのは2015年7月。被災地支援で寄付してくれる人たちの思いを反映しようと、地元の高齢者が返礼品を集荷し、障害がある人が箱詰め作業を担う方法を取り入れた。こうした運営は地元に事務所を構える一般社団法人「ドリームプロジェクト」が担うことになった。
全国からドリームプロジェクトに寄せられた応援メッセージ 障害のある人たちに箱詰め作業をゆだねたのは、戸羽太市長の発想だった。震災からの復興に向けて、障害があっても年齢を重ねても安心して過ごせるまちづくりをめざしていた。 ふるさと納税を再開した2015年度、陸前高田市には2億9千万円の寄付が集まった。市では地方税などの自主財源が15億円程度。ふるさと納税のうち、1億円は海産物など返礼品を提供した生産者や加工業者に届けられ、箱詰め作業を担った障害者施設には900万円が支払われた。
箱詰め作業の手順を説明する川原崇さん(左)。ドリームプロジェクトの社員として活躍している=岩手県陸前高田市 障害者通所施設「あすなろホーム」の通所者として箱詰め作業を1年続けた川原崇さん(31)は、ドリームプロジェクトの社員になった。いまは箱詰めの手順などを説明する「現場監督」のような立場だ。「お金の面で家族に迷惑をかけたくなかった。障害がある人がもっと働きやすい職場にしたい」。自立することによって収入は3倍に増え、将来に備えて貯金もできるようになった。あすなろホームの西條一恵施設長は「着実に独り立ちへのステップになっている」と話す。
箱詰め作業を見守るドリームプロジェクト代表理事の関欣哉さん(中央)=岩手県陸前高田市 ドリームプロジェクト代表理事の関欣哉さん(55)は「被災地にはきちっと収益を取れるビジネスモデルが必要だ。それがふるさと納税だった」と話す。「重要なのはどれだけ地域の人が幸せになったかだ。例えばふるさと納税でファンドを作り起業を支援できないか」。ふるさと納税が最大限に還元される方法を模索し続けている。(向井宏樹) |
ふるさと納税、障害者に希望 収益モデルで夢はぐくむ
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