学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池(かごいけ)泰典理事長が10日、大阪府に対して小学校設置の認可申請を取り下げ、理事長退任の意向を示した。「問題が終わったわけではない」「収束を期待する」。国会で国有地売却問題を追及してきた野党と防戦を強いられてきた与党の反応は対照的だった。
同日午後の参院予算委員会。民進党の福山哲郎氏は申請取り下げの速報に言及し、「問題はまだまだ先が続く。不透明な手続きの数々は変わらない」。山井和則国会対策委員長は国会内で、記者団に「幕引きは許されない。問題がある学校法人が破格の優遇を受けてきたのはなぜなのか。結果的には学園の広告塔となった安倍総理夫妻の責任は極めて重大だ」と強調した。
共産党の小池晃書記局長も「籠池氏の説明は野党やメディアに責任を押し付けていて卑劣だ。政治家の関与については語っておらず、国会で真実を語るべきだ」と述べ、籠池氏らの参考人招致を引き続き求める考えを示した。
一方、自民党の二階俊博幹事長は「お騒がせしたんだからしっかり(籠池氏が対応し)早く問題が収まることを期待する」と発言。自民幹部は「良いタイミングで辞めてくれるものだ。これで小学校建設の話も一段落だ。理事長を辞めれば国会に参考人として呼ぶ必要もなくなる」と語った。