カナダのカルガリー動物園は現地時間8月5日、国際的な移動が制限されているため、予定を早めて中国に戻すことを計画していた2頭のジャイアントパンダが今もカルガリーに留まっており、エサ不足の試練に直面していることを明かした。中国新聞社が伝えた。
資料写真、トロント動物園で撮影されたパンダの「二順」とその子供である双子パンダ(撮影・鄒峥)。
カルガリー動物園は今年5月12日、新型コロナウイルス感染症の影響で新鮮な竹の供給が試練に直面しているとして、中国がカナダに貸与しているパンダの「大毛(ダーマオ)」と「二順(アールシュン)」が予定より早くカナダの人々に別れを告げ、中国に戻ると発表していた。しかしそれから3ヶ月近くが経っても、2頭はまだカナダを発っていない。動物園は、「パンダの健康に対する懸念が日に日に募っている」としている。
現在2頭のパンダが食べている新鮮な竹は、動物園がカナダ西海岸のブリティッシュコロンビア州から調達しているもの。しかし動物園によると、9月までしか供給できないという。
パンダにとって、エサの99%は新鮮な竹だ。大人のパンダ1頭は1日に平均約40キログラムの新鮮な竹を食べる。「もし竹をパンダのところに運んでくることができないのならば、パンダを竹のあるところに行かせるしかない」と動物園はニュースリリースで述べている。
中国・カナダ両国政府の協議により、成都のオスのパンダ「大毛」と重慶のメスのパンダ「二順」は2013年3月にカナダに送られ、もともとの計画では10年間貸与されるはずだった。2頭はまずトロントで5年間飼育された。その間、「二順」は人工授精技術で2015年10月13日にオスとメスの双子のパンダ「加盼盼(Canadian Hope)」と「加悦悦(Canadian Joy)」を出産。この2頭はカナダで初めて誕生した赤ちゃんパンダだった。そして2018年3月、4頭はカルガリーに移った。
カルガリー動物園は2019年4月、「二順」に対し人工授精を行ったが、再度妊娠させることはできなかった。今年1月中旬、4歳になった「加盼盼」と「加悦悦」は関連協議によって一足先に中国に戻り、ジャイアントパンダ繁殖計画に組み込まれた。一方の「大毛」と「二順」はカルガリーで2023年まで暮らす予定だった。
四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地では今年5月中旬にもメディアに対し、「感染症の影響で国際便の運輸力が低下し、中国の新鮮な竹を迅速にカナダに空輸することができなくなった。カナダ側と協議した結果、契約を途中で中止し、パンダを予定より早く帰国させることを決めた」としていた。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年8月6日