新たに5店舗が加わった「寺山食堂」。佐々木英明・三沢市寺山修司記念館長(中央)から認定書が手渡された=三沢市寺山修司記念館
詩や短歌、演劇などに多彩な才能を発揮した寺山修司(1935~83)にちなみ、青森県三沢市内で2012年から展開されている「寺山食堂」が、4店舗から9店舗に拡大された。市内の飲食店が寺山の食にまつわる逸話を元にしたメニューを提供するという取り組みだ。材料には地場産品を取り入れ、地産地消もめざしている。
元々の「寺山食堂」は、修司の伯父がかつて三沢(旧古間木)駅前で経営していた食堂だ。1945年の青森空襲で焼け出された修司は母親と共にこの食堂の2階に間借りした。少年・修司は窓から行き交う列車や人々を眺めては東京への憧れをひそかに育んだと言われる。
現在の「寺山食堂」は、2013年の没後30周年を迎えるにあたり名称を復活させたもの。メニューは、三沢市が元妻の九條今日子さん(故人)から寺山の逸話を聞き出し、それをもとに考案したオリジナルだ。
「寺山盆カレーセット」は、大食漢でカレーとコーラが大好きだった寺山が、行き付けの食堂に行くと、お盆に直接盛られたカレーが出てきたことにちなむ。カツ丼とソバの「寺山セット」は、競馬好きの寺山が競馬に行くときに必ずカツ丼とソバを食べて験を担いでいたため。長期にわたった欧州公演で、パスタを代用して作ったのが「天井桟敷ラーメン」だ。
メニューには、随所に地場産品…