「米国第一」「再び米国を偉大な国に」……過去に例を見ないほど内向きな言葉を残して、米国のトランプ新政権がスタートした。宣誓を終えた大統領が最初のメッセージを発する場である就任演説は、ジョージ・ワシントン初代大統領からの慣例。過去の演説を振り返り、印象的な言葉をたどった。
トランプ大統領「この日から米国第一」【就任演説全文】
就任演説には、国内に向けて融和を求める内容が多いのが特徴だ。激しい選挙を経て当選したトーマス・ジェファーソン第3代大統領は1801年の就任式で多数派が少数派の権利も尊重しなければならないと述べ、「心と精神を一つにして団結しよう」と呼びかけた。
中でも有名なのは、国を二分した南北戦争が終わりに近づいていた1865年、エイブラハム・リンカーン第16代大統領が行った2回目の就任演説。「何人にも悪意を抱かず、すべての人に対して愛を持ち」という言葉を使い、国の傷をいやし、永続する平和を達成することを呼びかけた。トランプ氏も19日に訪れたワシントンのリンカーン記念堂には、この時の言葉が「ゲティズバーグ演説」とともに刻まれている。
20世紀に入ってからも、有名…