パリ南郊のオルリ空港で18日、男が警備中の兵士を襲撃して射殺された事件で、仏検察当局は同日、男が犯行時、「アラーのために私は死ぬ」と叫んでいたことを明らかにした。当局はイスラム過激思想に染まった男によるテロ未遂事件とみて、父親ら親族の身柄を拘束した。
空港警備の兵士から銃奪った男を射殺 テロ狙う? パリ
検察の発表によると、男はフランス国籍のジド・バンベルガセム容疑者(39)。これまで銃器強盗や薬物取引で収監された経験があり、当局者は、「刑務所で、思想を過激化させたとみられる兆候があった」と説明した。ただ2015年には過激思想との関連で家宅捜索したが、何も見つからなかったという。
バンベルガセム容疑者は18日午前6時55分ごろ、パリ北郊で検問中の警官らに停車を求められ、発砲して逃走。その後オルリ空港の南ターミナルで午前8時22分ごろ、3人組で警備中の兵士のうち一人に襲いかかり、拳銃を突きつけてライフル銃を奪おうとしたところ、他の兵士に射殺された。持っていたかばんからは銃弾やコーランなどが見つかったという。(パリ=高久潤)