作新学院―帝京五 四回表作新学院1死一塁、中島は左越えに適時二塁打を放つ=上田博志撮影
(23日、選抜高校野球 作新学院9―1帝京五)
試合詳細はこちら
動画もニュースも「バーチャル高校野球」
史上5校目の夏春連覇をめざす作新学院の4番中島は試合前夜、不安な気持ちを振り払おうとしていた。「この冬、自分はチームの中でも一番、野球のことを考え続けてきた。打てないはずはない」と。
最初の打席は一回2死一塁で巡ってきた。外角の直球を振り抜くと、右中間を破る先制三塁打になった。「先取点がほしかった場面。打てて良かった」。この一打をきっかけにこの回3点。チームも自身も勢いづいた。三回に中前安打、四回には左翼フェンス直撃の適時二塁打。結局、3打数3安打2四球の全打席出塁。あと本塁打が出れば史上2人目のサイクル安打達成という活躍だった。
昨夏はベンチ外。アルプス席から全国制覇した先輩の姿を見ていた。「目標は(3試合連続本塁打の)入江さん。打ちそうな雰囲気、豪快なスイングを身につけたい」と言う。
夏が終わって選手が入れ替わるだけに、夏春連覇は難しい。春夏連覇は2012年に大阪桐蔭が達成したが「夏春」の前回は1982年夏、83年春の池田(徳島)だ。当時は夏の優勝に貢献した水野、江上という軸が健在だった。作新はエースも中軸も代わり、投打の柱の台頭が鍵になる。
この日は4~6番で6打点。昨秋はエース大関が4番も務めていた打線が、新たな形を見せ始めている。「大関には投球に専念してほしい。秋に打てなかった分、4番の役割を果たしたい」。自信の一歩を踏み出した中島が言った。(坂名信行)
◇
○大関(作) 7回無失点。「力を抜いて、冷静にいこうと。慌てなかったけど、まだまだ(自己評価は)50点か60点くらい。もっと低めに集めたい」