東芝は、半導体事業の売却先を選ぶ入札を29日に締め切る。海外の半導体大手やファンドなど10社程度が関心を示すが、技術流出を警戒する政府は売却先によっては中止などを求める構え。独占禁止法上の審査が必要になる場合もあり、1兆円超の調達に向け、制約も多い。
入札に関心を示しているのは、米ウエスタンデジタル(WD)、米マイクロン・テクノロジー、韓国SKハイニックスといった同業大手のほか、鴻海(ホンハイ)精密工業や台湾積体電路製造(TSMC)の台湾勢、米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)や英ペルミラなどの投資ファンドとみられる。各社とも29日に向け、東芝と情報交換を続けている模様だ。
「東芝メモリ」として4月に分社化されるNAND(ナンド)型フラッシュメモリー事業の価値は2兆円とも言われる。この過半を買うことが入札の条件で、1社で資金を用意するのは簡単ではなく、複数社が協力する可能性もある。東芝幹部は「各社とも金額を示すのは入札締め切りの当日。何社が残るか、どことどこが組むかも分からない」と話す。
政府は、中国や台湾の企業が売…