政府は28日、働き方改革実現会議(議長・安倍晋三首相)の最終会合を開き、残業時間の罰則付き上限規制などを盛り込んだ「働き方改革実行計画」を決定した。政府は今秋の臨時国会で関連法の改正案を成立させ、2019年度の施行をめざす。
実行計画は、長時間労働の是正に向けた残業時間の上限規制と、非正社員の待遇改善を図る「同一労働同一賃金」が2本柱。残業時間については、繁忙期も含めた年間の上限を「720時間(月平均60時間)」、きわめて忙しい1カ月の上限を「100時間未満」とすることなどを盛り込み、事実上青天井となっている残業時間に初めて法的な強制力がある規制を設ける。
人手不足が深刻な運送業と建設業については、規制の適用を5年間猶予し、5年後に運送業は「年960時間(月平均80時間)」、建設業は原則として一般の業種と同じ規制を設けることなども盛り込んだ。
「同一労働同一賃金」では、実効性を確保する法制度とガイドライン(指針)を整備すると明記。待遇差の理由を説明する義務を企業に課すことも盛り込まれた。首相が「最大のチャレンジ」と位置づける目玉政策の方向性が正式に決まり、今後の焦点は政策の実効性をどう高めていくかに移る。(高橋健次郎)