両国の国旗を背に熱戦を繰り広げる韓国と北朝鮮の女子アイスホッケーの選手たち=6日、韓国・江原道江陵市、武田肇撮影
北朝鮮の核ミサイル開発で朝鮮半島情勢が緊迫する中、平昌冬季五輪の開催予定地、韓国・江原道江陵(カンウォンドカンヌン)市で6日夜、女子アイスホッケーの「韓国―北朝鮮」戦があった。7日には平壌で女子サッカーの南北代表が対戦する。韓国政府関係者は「南北が参加する国際大会が偶然、同時期に開かれた」と説明するが、「38度線」を挟んだ南北スポーツ交流の様相を呈している。
女子アイスホッケーの南北対決は、五輪プレ大会を兼ねた世界選手権大会であった。北朝鮮が韓国での国際大会に選手団を送るのは2014年仁川アジア大会以来で、総勢30人の選手団が1日に韓国入りした。会場周辺には韓国メディアが殺到したが、平均身長約160センチの北朝鮮の選手は、笑顔で気さくに手を振り返すなどサービスに努めた。
試合は3対0で韓国が勝った。崔文洵・江原道知事は同行の北朝鮮体育省幹部から「平昌五輪では最大限多くの競技に出たい」との意向を伝えられたと語った。
平壌での南北戦はアジア・サッカー連盟(AFC)の女子アジア・カップ予選。韓国選手団が北朝鮮入りするのは1990年の男子サッカー南北交流競技以来。27年ぶりの韓国選手団受け入れは、韓国大統領選後の対北政策の変化を期待してとの見方も出ている。(江陵〈韓国〉=武田肇)