東芝が、延期してきた2016年4~12月期決算を、期限の11日に発表する方向で最終調整に入った。ただ、監査法人側との調整は続いている。決算に対して監査法人による「適正意見」がつかない場合でも、発表に踏み切る構えだ。不信感をいっそう高める3度目の延期を避けたい考えだ。
特集:東芝の巨額損失問題
東芝は10日、取引銀行などに対して11日に発表する意向を伝えはじめた。
東芝は監査法人との間で、経営破綻(はたん)した米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の内部統制の不備をめぐる問題で意見が食い違う。監査法人側は、WH経営陣がかなり前から巨額損失の可能性を認識していたのではないかとみて、より詳しい調査を東芝に要求。これに対して東芝は、「WH経営陣が事前に損失を認識していた証拠はない」と判断した。
両者の相違は大きいとみられる。監査法人側が納得しない場合、決算は監査法人の「適正意見」がないままでの発表となる見通しだ。
その場合、決算の重要な部分に…