18日に予定されている初の日米経済対話の事前協議で、米国政府が日本政府に二国間の貿易交渉を要求してきたことが分かった。米側の関心が強い自動車や農業分野の市場開放が念頭にある。日本側は今のところ、二国間交渉には応じられないとの立場を伝えているが、日米の貿易不均衡問題が経済対話の主要な論点になるのは確実になった。
初会合には麻生太郎副総理とペンス副大統領が出席し、今後取り上げる具体的な議題を話し合う。踏み込んだ議論は次回以降とみられており、両国政府は担当省庁ごとに協議の場を設ける方向で調整している。当初は通商分野を担当するロス米商務長官ら関係閣僚の参加も検討されたが、初会合は麻生、ペンス両氏で協議する見通しだ。
両国政府の関係者によると、米側は先週、対日貿易赤字の削減に向けて、日米二国間の貿易交渉を議題にするよう強く要請した。具体的な交渉分野には触れていないという。交渉実務を担う米通商代表部(USTR)のライトハイザー次期代表候補の人事が議会の承認を得られていないなど、米側の陣容が整っていないためとみられる。ただ、米政府関係者は、実際に交渉に入れば「自動車、農業がメインになる」と話す。
経済対話について、2月の日米首脳会談では、財政・金融政策などマクロ経済政策▽インフラ投資やエネルギー分野での協力▽二国間の貿易に関する枠組み――の3点を扱うことで合意した。このうち貿易の部分について、日本側は「二国間交渉に関する合意ではない」と説明。米側には、アジア地域に貿易・投資ルールを定着させる方策を中心に議論するよう呼びかけている。
日本の経済官庁幹部は「日本は…