トランプ米大統領は11日、トヨタ自動車が米ケンタッキー工場への投資を発表したことについて、「我々が選挙で勝っていなければ実現しなかっただろう」と述べ、自分の実績だと強調した。トランプ氏に経済政策を助言する「戦略政策フォーラム」で、メンバーの企業経営者らを前に語った。
トヨタ、米工場に1480億円投資へ トランプ氏が歓迎
会合でトランプ氏は「最優先課題は米国の労働者に高賃金の雇用をつくりだすことで、すでにかなり前進した」と指摘。トヨタが前日発表した13億3千万ドル(約1480億円)の投資計画を真っ先に挙げ、自らの成果として誇った。
トヨタは2013年にも同工場に5億ドル超の投資をすると発表しており、「たぶん計19億ドル(約2080億円)の投資になるだろう」と付け加える念の入れようだった。ただ、自動車工場への巨額投資は数年前から検討を重ねるのが普通で、トヨタは「以前から計画していた投資だ」と説明している。
トランプ氏は、目玉政策だった医療保険制度改革(オバマケア)の見直しに失敗。市場では大型減税や規制緩和の実現性に疑念が出ているが、この日は「まだ始まったばかりだ。税を減らし、余計な規制をやめる」と発言。オバマ政権が進めた金融規制を緩める決意も示し、「親ビジネス」の姿勢を改めて強調した。(ニューヨーク=江渕崇)