自民党の石破茂・前地方創生相は15日、地方創生のとり組みを中心テーマにした「日本列島創生論」(新潮社)を出版する。安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の限界を指摘しつつ、「処方箋(せん)」として地方からの成長戦略をうたう。来年の党総裁選で首相への対抗軸として「地方重視」を打ち出したい考えだ。
人口減少や東京一極集中への危機感を前提に、地方創生の必要性を訴える内容。昨年8月までの約2年間、担当大臣を務めた経験から、各地の自治体の先駆的なとり組みや大企業本社の地方移転など地方創生の実例を紹介している。
前書きでは、アベノミクスについて「大胆な金融緩和、機動的な財政出動でデフレ脱却に貢献したが、この二つだけでは限界がある」と指摘。その恩恵が地方に行き渡るかについても「今のままでは、その保証はない」と断じた。そのうえで、「地方創生を中心とした成長戦略が日本復活の処方箋だ」と主張している。
題名は、政治の師と仰ぐ田中角栄元首相が出版した「日本列島改造論」にちなんだ。「原点である先生の教えに思いをはせた」と石破氏。出版1カ月後に首相の座に登りつめた師を強く意識しているようだ。
野党時代の2012年総裁選で…