森友学園への国有地売却時、値引き額はどう算定されたか
8億1900万円の「値引き」は妥当だったのか――。「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、大幅な値引き額は、地中のごみの「深さ」と「混入率」で決められた。問題発覚から約2カ月。この二つの数字に疑いの目を向ける野党などと政府との溝は埋まっていない。安倍晋三首相が答弁に立つ17日の衆院決算行政監視委員会での論戦が注目される。
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国有地は約8770平方メートル。鑑定価格は9億5600万円だが、財務省近畿財務局は2016年6月、1億3400万円で学園に売った。値引き分のほぼすべては地中のごみの撤去処理費用の名目だ。ごみは最深で地下9・9メートルまであるという前提で見積もられた。
国会答弁などによると、売買契約の3カ月前、「新たなごみが見つかった」と学園側から連絡があり、財務省近畿財務局と、土地を所有する国土交通省大阪航空局の職員が現地を訪問。学園側が小学校建設のため9・9メートルの杭を打ったドリルの先にごみが絡みついている写真などを見て、深さを決めたという。
「地質的に、その深さまでごみがあったとは考えられない」と指摘するのは日本大学理工学部の鎌尾彰司准教授(地盤工学)だ。この土地が昔、池や沼だったことを踏まえ、「3メートル付近より深いところは、埋め立てる前からあった堆積(たいせき)層とみるのが自然」と話す。