後半、セ大阪の杉本(中央)はヘディングシュートで2点目を決める=加藤諒撮影
(16日、セ大阪2―2ガ大阪)
試合終了直後、両チームの選手がゴール裏のサポーターへあいさつに向かった。すると、容赦ない大ブーイング。セ大阪主催試合として歴代4番目となる4万2438人の観客は、勝ちきれなかった選手に厳しかった。
セ大阪の3季ぶりのJ1復帰で実現した大阪ダービー。これまでのJ1での対戦成績はガ大阪の19勝9敗4分けだ。だが、今季は試合前の時点で、ガ大阪は4位でセ大阪は6位ながら、勝ち点は11で並んで迎えた一戦。試合前から張り詰めた空気が漂った。
先手を取ったのはガ大阪。後半12分、藤春が決めた。セ大阪は後半26分に杉本の今季初ゴールで追いつくと、さらに同41分、クロスに杉本が頭で合わせて勝ち越した。
だが、ガ大阪も粘る。後半追加時間、CKのチャンスを得ると、倉田がゴール前の混戦からボレーシュートを決めた。倉田は「負けてもおかしくなかった。やばかった」とホッとした様子だった。
倉田はガ大阪のアカデミー育ちで、杉本もセ大阪の下部組織からプロになった。中学時代からお互いにライバル意識を植え付けられて育った。杉本は「簡単に勝てないのがダービー。この悔しさは次につなげないといけない」と言うと、倉田は「ダービーはこっちが勝たなあかん。次はホームやし、やり返したい」。
この決着は7月29日、ガ大阪の本拠、市立吹田スタジアムで初めて開催される大阪ダービーに持ち越された。(大西史恭)