高谷さん(中)ら、命の大切さを伝える紙芝居作りに携わった人たち=岡山市中区、本多由佳撮影
京都府亀岡市で集団登校中の小学生の列に車が突っ込み、児童2人と保護者の女性が死亡、児童7人が負傷した事故は、23日で5年を迎える。児童の遺族が事故の悲惨さを訴える講演を続けているが、子どもが巻き込まれる事故はなくならない。そんななか、遺族の講演を聞いた岡山市の大学生たちが、亀岡の事故をモチーフにした紙芝居を作り上演を始めた。
特集:小さないのち
「まおちゃんはお父さんに買ってもらった新しい靴を履きたかったのに、履くことができませんでした」
紙芝居は、こうして始まる。
山陽学園大(岡山市中区)総合人間学部4年の高谷麻衣さん(21)ら学生3人が作った。高谷さんが、事故で次女の真緒さん(当時7)を亡くした小谷真樹さん(34)の岡山県倉敷市での講演を昨年8月に聞き、つらい体験を語り続ける父親の姿に胸を打たれたのがきっかけだ。
家族や友達と過ごせる時間の大切さを幼い子どもに伝え、子どもを通して親に安全運転を促したいと、紙芝居の制作を思い立った。幼稚園や保育園の年長児向けを意識した。
絵は柔らかなタッチで描き、主…