東芝が進める半導体子会社「東芝メモリ」売却の入札を巡り、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業が自身の出資を2割程度にとどめる提案に切り替える方向だ。残る8割を日米企業から集め、中国などへの技術流出に対する政府の懸念を和らげる狙い。買収後、米国での工場新設も提案するなど積極的に動いている。
特集:東芝の巨額損失問題
関係者によると、鴻海は3月末の1次入札で3兆円近い買収額を提示。5月中旬の2次入札に向けて日台米の企業連合をつくり、日本企業には出資の計3~4割を担ってもらう方針だ。鴻海傘下のシャープも出資し、アップルなど米国企業からも同程度の出資を募るという。東芝の出資も一部残す。
鴻海に対しては、日本政府が中国に近い企業とみて半導体技術の流出を警戒。外為法に基づく中止勧告などを検討している。鴻海は買収の枠組みを多国籍にして懸念を和らげる狙いがあるとみられる。
また、鴻海は買収後、半導体メ…