ドイツのための選択肢(AfD)のペトリ党首=18日、ベルリン、高野弦撮影
反難民などを掲げるドイツの新興右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)のペトリ党首は19日、9月の総選挙で首相候補にならないと表明した。総選挙では通常、各党が党首を首相候補に立てて戦う。党内では主導権争いが激化しており、今週末の党大会の行方次第で、党首辞任の可能性も出ている。
ペトリ氏はビデオメッセージの中で、「候補者が1人になろうと、複数になろうと、私は首相候補にならない」と語った。
ペトリ氏は党大会で、与党を批判するだけの「反対政党」から、現実的な政策を持った「責任政党」を目指すとする基本方針案を提出する方針。だが、より右派的な副党首ら主要幹部が反対。ペトリ氏の党運営を「独裁的だ」と批判する声が高まっていた。
ペトリ氏は首相候補辞退について「(自分が首相候補になるとの)個人の問題とは切り離して、提案を議論してもらうため」と説明している。
AfDは欧州債務危機さなかの2013年、共通通貨ユーロへの反対を掲げて発足。ペトリ氏が実権を握った15年以降は、メルケル政権の難民受け入れ策を批判して支持率を伸ばし、現在16州のうち11の州議会で議席を有している。(ベルリン=高野弦)