女子生徒がいつも持ち歩く母親からの手紙(上)と主治医のメモ書き。悩んでいるとき、読むと心が落ち着く(写真を一部加工しています)
■小さないのち 大切な君
東京都内に住む高校3年の女子生徒(17)の手帳には、何枚かの手書きのメモが挟んである。「自分を責めない」「他人の言葉は気にしない」「自分を大切にする」。クリニックの先生が通院のたびにくれる。心が折れそうになると、読み返す。
「外に出てごらん」言われた私、月を見て前向きになれた
死にたい?心が疲れたんだよね 自らの体験、歌詞に込め
特集「小さないのち」
女子生徒がスマートフォンの「LINE」のタイムラインに自殺を意識した書き込みを始めたのは中学3年の冬だった。
いじめを受けていた友達に誘われて一緒に学校を休むようになったのをきっかけに、不登校気味になっていた。学校をサボるのは快感だったけど、罪悪感もあった。学校に行けない自分の存在価値が分からなくなっていった。
「この先どうするの」という母とケンカが増えた。妹たちと比べ、とりえがないようにも感じていた。生まれたことが間違いだったのではと思い、「なんで産んだの?」と言い返した。母が陰で泣いているのを見て落ち込んだ。「なんて自分はダメなんだろう。またママを傷つけちゃった」。リストカットを始めた。
支えてくれる大人もいた。保健室の先生。週2回ほどの登校は保健室に寄ってから。遅刻しても叱られず、「よく来たね」と言ってくれた。夢ができた。「将来、私も保健室の先生になりたい」
高校に進んでしばらくすると、…