航空自衛隊の戦闘機部隊と米空軍のB1B戦略爆撃機が25日に、九州周辺の空域で共同訓練をしていたことが分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
日米両政府は、人民軍創建85周年の25日に北朝鮮が核実験や弾道ミサイルを発射する可能性があるとみて警戒していた。23日からは、西太平洋で米海軍の原子力空母カールビンソンの艦隊と海上自衛隊が日米共同訓練を始めており、洋上に加えて米空軍と空自も共同訓練を実施することで、北朝鮮を強く牽制(けんせい)する狙いがあったとみられる。
政府関係者によると、訓練には、空自築城基地(福岡県)所属のF2戦闘機が参加。レーダーで探知しにくいステルス性を備えたB1Bを敵機に見立てて緊急発進(スクランブル)を想定した手順を確認したり、F2とB1Bが編隊を組んで飛行したりした。
防衛省はカールビンソンの艦隊と海自護衛艦の共同訓練については公表しているが、空自と米空軍との共同訓練については公表していない。
また、空自は28日午前、沖縄県の東方の空域で那覇基地(沖縄県)所属のF15戦闘機と、カールビンソンの艦載機の共同訓練を実施した。空自はこの訓練を26日に実施する予定だったが、悪天候のため2日間延期していた。(土居貴輝)