トルコ南部ハタイ県のシリア国境付近で4日、シリアのアサド政権軍のものとみられる戦闘機が墜落した。トルコのメディアが報じた。墜落の原因は不明。残骸の操縦席は無人で、操縦士はパラシュートで脱出したものとみて、トルコ軍の国境部隊や地元警察が捜索・救助活動をしている。
墜落後、トルコのユルドゥルム首相が会見し、「シリアの政権のものと思われるミグ型の戦闘機が墜落した」と説明。「墜落原因は判明していないが、(墜落時の)現地の天候はかなり悪かったとの情報がある」と指摘した。
シリアの国営メディアも4日、軍当局の話として「トルコ国境付近で偵察任務をしていた軍用機と連絡が途絶え、操縦士を捜索している」と報じた。
一方、シリアの反体制派の有力武装組織「アフラル・シャーム」は4日、ハタイ県と国境を接するシリア北部イドリブ県で、アサド政権軍のミグ戦闘機を撃墜したとの声明を出した。
シリアではロシアとトルコの仲介で、アサド政権と主要反体制派の間の停戦合意が昨年末に発効したが、イドリブ県は停戦の対象外となっている過激派組織の支配地域が多く、政権側は空爆を続けている。(イスタンブール=春日芳晃)