甘辛いタッカルビとチーズを組み合わせた「チーズタッカルビ」
「韓流の街」と言われる東京・新大久保は今、新料理「チーズタッカルビ」などが若い世代を引き寄せている。日韓関係がぎくしゃくしても、草の根の文化交流は着実に続く。9日の韓国大統領選を前に、政治に振り回されない関係への期待が高まっている。
JR新大久保駅の近くは至る所に「チーズタッカルビ」の看板が掲げられている。大型連休中は行列ができ、ごった返していた。
3日昼に韓国料理店「市場(シジャン)タッカルビ」をのぞくと45席のうち、男性客は1人だけ。「3時間待った」という都立高校生の横山優月(ゆづき)さん(15)、館林夏歩(かほ)さん(15)、宝田美乃理(みのり)さん(15)の3人はチーズを伸ばして動画を撮り、「辛~い!」「おいしい」とはしゃいでいた。
3人とも新大久保は初めて。化粧品を買い、韓国のスイーツを食べ、町歩きを楽しんだという。「日韓関係についてどう思う?」と尋ねると、一瞬沈黙した。
「私、政治に関心はないです」「とりあえず戦争は嫌だ」
9日に韓国で大統領選があることは知らないという。「あれだよね、朴(パク)さん?」「私、俳優のイ・ジョンソク大好き。韓国ドラマよく見るんで。めっちゃイケメンだと思いません?」
タッカルビは鶏肉や野菜を甘辛く炒めた韓国の人気料理だが、チーズとあえることを考えたのはこの店の姜光植(カングァンシク)さん(48)。昨年6月に看板を出してから評判となり、連日満席が続く。「『韓流は終わった』とテレビで報じられた頃は傷ついたけど、お世話になった多くの日本人に恩返しができたかな」と語る。
新大久保は政治に左右されてき…