外国人が運転していることを後続車に知らせるため、大阪府レンタカー協会が作ったマグネットステッカー
国内で訪日外国人のレンタカー利用が増えている。自分のペースで移動でき、子どもや高齢者の同伴にも便利な一方、交通ルールの違いもあって事故が急増している。各地で対策が進む。
4月中旬、関西空港のレンタカー各社のカウンターに外国人が並んでいた。香港から訪れたエンジニアの男性(35)は「2歳の子が一緒で、電車は不便だから」。一家で1週間かけて関西を巡るという。夫婦とも5回以上訪日し、運転経験もあるといい、妻は「安全運転だから大丈夫。香港の方がスピードを出す人が多くて危ない」と話した。
夫婦でスタッフの説明を聞き、カーナビの言語を英語に変更。笑顔で出発しようとすると、スタッフが慌てて窓をたたいて叫んだ。「ストップ、ストップ。サイドミラーをたたんだまま」。ミラーを出した車は、そろりと走り出した。
2016年の訪日外国人は推計で2400万人を超え、4年連続で過去最多を更新した。国際線が就航する空港で国土交通省航空局が調査したところ、空港までの移動にレンタカーを利用した外国人は11年度に推計約18万人だったが、15年度の推計は約70万5千人。ニッポンレンタカー関西の泉南エリアマネジャー小川一樹さん(45)は「大人数、荷物が多い、地方に行きたい、といった理由で利用が増えている」とみる。日本人の利用は2日以内が多いが、外国人は3~10日間借りるため、売り上げも伸びているという。
一方、悩ましいのが事故やトラブルだ。小川さんは「駐車場でほかの車に接触したり、縁石に当たったりするケースが多発している」と話す。同社はドライブレコーダーや後進を支援するバックモニターの搭載などの対策を進めている。貸出時にガソリン車かディーゼル車かを入念に説明しても、指定油種ではない燃料を入れられるトラブルも少なくないという。
公益財団法人交通事故総合分析…