キャンプで打撃練習する阪神の鳥谷。今季の好調の基礎を作った
9日から伝統の巨人戦を戦う阪神。週末の甲子園での広島との3連戦では、昨季7勝18敗と惨敗した相手に、2013年以来の同一カード3連勝を果たして、首位にたった。まさに「ゴールデンウィーク」を過ごした。
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9点差を大逆転した6日の2戦目の後、金本監督は強調した。「自信にはしてほしいけど、慢心やおごりは絶対ないようにして、明日もやっていきたい」
7日の3戦目も慢心などさらさら感じさせなかった。実績あるベテランたちが懸命にチームを奮い立たせた。0―0の四回、無死一、二塁で、福留が打席に。2球目、40歳の4番打者は自らの判断でセーフティーバントを試みた。ファウルになったが、懸命な姿が後続の心に響く。
1死二、三塁から中谷が三振に倒れ、35歳の鳥谷。「最年長の福留さんがああいうプレーをしてくれた。なんとか(走者を)かえしたいという気持ちが強かった」。ファウルで粘った末の7球目を右前へ。先制の2点適時打とした。
金本監督はこの一打を高く評価した。「中谷の三振で、ああいうのが一番プレッシャーがかかる。そこでベテランがカバーした。鳥谷が大仕事をしてくれた。理想的な展開だった」。六回も、福留の適時二塁打の後、再び鳥谷が2点適時打を放って3点を奪った。
昨季まで主将だった鳥谷は最近5試合で9安打、8打点。今季、主将を引き継いだ福留も9安打を放って、6打点、この日は37歳の能見が初勝利をあげた。連勝は5に伸び、勝ち越しも八つ。強化されている若手の元気さだけではなく、ベテランの力も充実する阪神。まだ5月とはいえ、首位固めには絶好機だ。(竹田竜世)