銀行カードローンのテレビCM本数は消費者金融を大きく上回る
銀行が無担保で多額のお金を貸すカードローンで、テレビCMの本数が消費者金融を大きく上回ることがわかった。消費者金融は本数が規制されるが、銀行は規制外のためだ。すでに貸付残高は消費者金融を上回り、多重債務の懸念もある。銀行の中には放送を減らす動きも出てきた。
民間調査会社によると、2011~16年度の大手銀行(三菱東京UFJ、三井住友、新生=レイク)と消費者金融(アイフル、アコム、SMBCコンシューマーファイナンス=プロミス、モビット)のCM放送本数(1本=15秒換算、関東地区)を比べると、最近は銀行が2倍程度。16年度は三井住友が約3020本、新生が約2230本、三菱東京UFJが約1990本。消費者金融は780~1170本。みずほ銀行はゼロだった。
消費者金融は、貸金業法で広告の自主規制が求められている。業界ではCMを1社で月100本以下とし、午前7~9時、午後5~10時は禁止。各社の本数は横並びだ。一方、銀行は同法の規制外だ。テレビ局の基準で午後5~9時は流せないが、朝は流せる。各社は成長分野として多くのCMを流している。
多重債務問題を受け、消費者金融は貸金業法で「年収の3分の1」の貸し付け上限が定められ、CMも規制される。規制外の銀行カードローンは貸付残高が急増し、消費者金融を上回った。過剰融資の懸念が強まっており、三菱東京UFJは4月からCMを月100本以下とし、時間帯も見直した。三井住友は4月から平日朝は自粛し、本数も減らしたという。(藤田知也)