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赤い下着に真っ赤な唇… 宮沢りえ「クヒオ大佐の妻」に

写真・図版


宮沢りえ=村上健撮影


スカジャンの下にちらりとのぞく赤い下着。真っ赤な唇で自転車を立ちこぎする宮沢りえ。「クヒオ大佐の妻」の舞台チラシにざわっとする。また、犯罪に手を染めてしまう役なのか。映画「紙の月」でタッグを組んだ映画監督の吉田大八が書き下ろし、演出する。


「カメハメハ大王の子孫」と偽り、女性たちから金をだまし取った実在の結婚詐欺師・クヒオ大佐。今回は彼のいるかいないかわからない妻・夏子(宮沢)の話だ。夏子のアパートに、同級生を名乗る男(岩井秀人)、だまされた女(川面千晶)、階下に住む美少年(水沢紳吾)が次々と訪れる。


夏子はひたすらクヒオ大佐の帰りを待つ。「彼を理解し、守るのは自分一人。私はそこまででもないけれど、誰よりも味方であるって気持ち、誰にでもありますよね」。主に舞台に登場するのは4人。タイトルに名前がある人物が登場しないのは、吉田が監督した映画「桐島、部活やめるってよ」をほうふつとさせる。


宮沢にとって、吉田の作品は2回目だ。映画「紙の月」では、若い男にいれあげ、横領に手を染めていく銀行員を演じた。「その時に吉田監督の映画『クヒオ大佐』(2009年)を見て、妻がいたら面白いねって、監督と話したのが始まり。終戦直後と現代が入り交じる重層の舞台で、今まで以上に七転八倒しています」


どんなに苦しくても、新しい役…



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