給付型奨学金が贈られた鳥海連志〈右〉と森下友紀〈左〉(あいおいニッセイ同和損保提供)
障害者アスリートの支援に力を入れる「あいおいニッセイ同和損保」が今春から、給付型の奨学金「パラアスリート・スカラシップ制度」を始めた。返金する必要のない「給付型」は珍しいといい、3年後の2020年東京パラリンピックに向けて、若手選手の育成を資金面でサポートする。
競技団体から推薦のあった大学生が対象。今年度はいずれも昨夏のリオデジャネイロ・パラリンピックに出場した車椅子バスケットボール男子の鳥海連志(ちょうかいれんし、18)=日体大1年=と、競泳女子の森下友紀(ゆうき、20)=昭和女大3年=を選んだ。
1人あたり、年間の授業料相当分を支援し、卒業まで継続できる。森下は、「これまでは海外遠征に行けなかった時があったり、練習にかかる費用を十分に負担できなかったりした。可能性が広がる」とコメントした。
同社は日本車椅子バスケットボール連盟、日本身体障がい者水泳連盟とオフィシャルスポンサー契約を結び、14年から障害を持つアスリートを積極的に雇用してきた。今春は7人が入社し、計15人を採用している。
給付型の奨学金制度について、同社で障害者スポーツを担当する倉田秀道さんは、「大学にかかる費用を支援することで選手の強化につながれば」と話す。この制度を東京パラリンピックで終わらせず、支援継続も視野に入れる。(笠井正基)