米軍嘉手納基地で行われたパラシュート降下訓練=10日午後7時40分、沖縄県嘉手納町役場屋上から、吉田拓史撮影
米軍嘉手納基地(沖縄県沖縄市、嘉手納町、北谷町)で10日夜、米軍がパラシュート降下訓練を行った。嘉手納基地では4月にも同じ訓練が実施されたばかり。日米合意に反するなどとして米軍と日本政府に抗議していた県や地元自治体は、反発を強めている。
午後7時40分ごろ、基地上空を飛ぶ軍用機から米兵が次々とパラシュートで降下。午後8時半までに十数人が基地内に降り立った。
県によると嘉手納基地での降下訓練は、伊江島補助飛行場(伊江村)に訓練を集約することで日米が合意した1996年以降では8回目。前回は4月24日の朝に6年ぶりに実施された。
嘉手納町によると夜間の訓練は初めてとみられる。当山宏町長は「自分たちで決めた約束を簡単にほごにするようなことは断じて許せない」と憤った。
パラシュート降下訓練をめぐっては、65年に米軍機がパラシュートをつけて落としたトレーラーで小学生が圧死する事故が起きるなど、基地外への降下による事故がたびたび発生し、県や地元自治体は伊江島以外での訓練をしないよう求めている。(吉田拓史)