大阪府は19日、学校法人「森友学園」(大阪市)が運営する塚本幼稚園で補助金約6100万円を府から不正に受給した疑いがあるとして、同学園の籠池泰典前理事長(64)について詐欺の疑いで告訴状を大阪地検特捜部に送付した。府は17日に同額の補助金の返還を学園に命じている。
特集:森友学園問題
府教育庁によると、籠池前理事長は、2011~16年度に教員の人数に応じて府から交付された補助金約3440万円と、11~15年度に障害のある幼稚園児数に応じて交付された補助金約2660万円について、不正に得た疑いがある。
府教育庁は今年3~5月、学園側に給与支払いに関する書類の提出を求めるとともに、職員への聞き取りや保護者へのアンケートを実施。勤務の実態のない教員が補助金の申請に含まれていたことや、障害のある園児に対する支援が補助金に応じて行われていないことなどを確認した。そのうえで、一連の補助金の不正受給は籠池前理事長による行為と判断した。
当初は補助金適正化法の適用を検討していた。府が文部科学省に問い合わせたところ、今回の補助金が同法の要件である「間接補助金」に当たらないとの回答を得たため、刑法の詐欺容疑での告訴に決めた。(坂本純也)