経営方針説明会で話すソニーの平井一夫社長=東京都港区
ソニーの平井一夫社長は23日、2018年3月期に過去最高水準に迫る営業利益5千億円を目指すことについて、「十分に狙えるだけの力はついた。通過点に過ぎない」と述べ、自信を見せた。約20年ぶりの高い水準で、課題として残る映画やスマートフォンの事業で収益改善を進める。
就任5年を迎えた平井社長は「規模を追わずに、違いを追ってきた。元気に満ちたソニーが戻ってきた」と話した。とりわけ赤字に長年苦しんできたテレビ事業で、高価格帯の商品に注力し、「筋肉質な事業に転換できた」という。スマホなどに使われる画像センサーや金融、ゲームの事業も好調だ。
ただ、喫緊の課題が映画事業だ。今年度までの中期経営計画の目標を大幅に下回り、平井社長は「劇場公開の作品でヒットを増やしたい。コスト抑制では、地域ごとにマーケティングをするなど配給の効率化で改善を進めたい」と話した。
また、昨年度3年ぶりに黒字化したスマホ「エクスペリア」の事業で、音声認識でメッセージも送れるイヤホン型端末「イヤー」のような携帯以外の商品を増やして収益改善を進める。
今後期待できる新規事業として医療をあげた。13年にオリンパスと立ち上げた医療機関向けの「4K外科手術用内視鏡システム」のビジネスについて、平井社長は「成果が着実に出ており、事業も伸びている」と話した。