コミー前米連邦捜査局長官=AFP時事
トランプ米政権とロシアの関係をめぐる「ロシア疑惑」に関し、解任された連邦捜査局(FBI)のコミー前長官が来週にも議会上院の情報委員会で公開の証言をする方針だと分かった。米CNNが5月31日、関係者の話として伝えた。コミー氏がトランプ氏による司法妨害疑惑について証言すれば、政権にとって大打撃になる。
コミー氏は、昨年の大統領選前後のトランプ氏陣営とロシア政府との癒着を捜査していたが、9日に突如トランプ大統領に解任された。トランプ氏が、解任以前にコミー氏に元側近の捜査を打ち切るように依頼した司法妨害疑惑も浮上。真相究明の声が議会やメディアから噴出した。そのため、ローゼンスタイン司法副長官がロバート・マラー元FBI長官を独立性が高い特別検察官に任命している。
CNNによると、コミー氏は既に、マラー氏と面会し、今後の捜査に支障がないよう証言内容を確認しており、コミー氏が捜査中のロシアとトランプ氏陣営の関係について具体的に語る可能性は低い。
ただ、コミー氏が解任に至るまでの経緯やトランプ氏から受けた捜査への「圧力」について明らかにする可能性がある。
コミー氏はトランプ氏から、フリン前大統領補佐官を巡る捜査の中止を求められ、その際のやりとりをメモに残していたとされる。コミー氏が証言でこのメモの存在を公に認める可能性がある。(ワシントン=杉山正)