ソニーの「toio(トイオ)」
自分でつくったおもちゃを自由に動かせたり、ペトペトした風船をくっつけてマスコットがつくれたり――。新しい遊び方を提案するおもちゃが、開催中の「東京おもちゃショー2017」に登場した。
会場は東京都江東区の東京ビッグサイト。特に注目を集めたのは、「トイ・プラットフォーム」という新ジャンルのおもちゃ「toio(トイオ)」(12月発売、本体の税抜き想定価格2万円前後)を発表した初出展のソニー。ゲーム機でないおもちゃを販売するのは約13年ぶりだ。
モーターとタイヤが付いたサイコロのような二つのキューブが、専用マットの上を自在に動き回る。キューブには位置を把握するセンサーが搭載され、本体からの無線による指示やリング状のコントローラーで動く。このキューブの上に、文具などでつくったおもちゃを乗せれば、男の子に人気の「バトルゲーム」などを楽しめる。
ソニーはロボットと遊びの融合を目指し、5年前に開発を始めた。開発者は「自分で作ったものが動くと、子どもはすごく喜ぶ。シンプルなキューブにしたので、その上の広がりを楽しんで欲しい」と話す。
ペットの飼い主をターゲットにしたおもちゃも登場した。タカラトミーの「いぬのきもち お散歩Time」(今秋発売、税抜き希望小売価格1万2千円)だ。犬の首輪に本体をつけ、携帯アプリと連動させることで、犬の活動量を把握。犬種、年齢、体形などをアプリに入力すると理想の散歩時間などを示す。1万頭以上の犬のデータを専門家と分析して開発したという。おもちゃの市場が子どもだけでなく大人にも広がる中、「ついにペットにも広げました」(広報)。
同社は、ぷにぷにした直径5センチほどの風船同士をくっつけて遊ぶ新感覚のおもちゃ「ウーニーズ」シリーズ(今夏発売、基本セットの税抜き希望小売価格2800円)も出展した。
小さな合成ゴムの塊を専用の機械にセットしてレバーを押すと、ゴムに針が差し込まれて空気が送られ、風船が膨らむ。ゴムに粘着性があるので、穴は自然に閉じ、風船同士もくっつけやすい。子どもでも簡単に風船がつくれて、目や口などのパーツを付けて動物をつくったり、花やケーキのかたちにして装飾に使ったりできるという。
メガハウスの「地球まるごとすごろく」(7月発売、税抜き希望小売価格3980円)は、球体の変わったすごろくだ。直径約50センチのビニールボールに約100の国や地域が描かれ、台座に乗せて回しながら遊ぶ。日本おもちゃ大賞の「コミュニケーション・トイ部門」で大賞も受賞した。
ブームを取り入れたおもちゃもある。テンヨーの「エアーサインキット」(10月発売、税抜き予定価格1600円)は、スポーツ選手らが、試合後にカメラに向かってサインをするのを、携帯につけて動画を撮るだけで再現できる。取り付け部分は、上下左右に動かせてバネで固定するので、どんな種類にも対応可能という。
ショーには、153社が参加し、約3万5千点の商品が展示されている。VRや赤外線など新技術を生かしたものも多く、最先端のおもちゃを楽しむことができる。3日は午前9時~午後5時、4日は午前9時~午後4時。入場無料。(植松佳香)