全仏オープン初戦に臨んだ錦織圭=AP
テニスの全仏オープン第3日が30日、パリのローランギャロスで行われ、男子シングルス1回戦で第8シードの世界ランキング9位、錦織圭(日清食品)が世界ランキング外のタナシ・コッキナキス(豪)に苦しみながら、4―6、6―1、6―4、6―4で破り、3年連続の2回戦進出を決めた。
女子シングルス1回戦で、予選を勝ち上がり、4大大会のシングルス本戦初出場の加藤未唯(佐川印刷)はテイラー・タウンゼント(米)に4―6、0―6で敗れた。日比野菜緒(ルルルン)はキャロリン・ガルシア(仏)に、大坂なおみ(日清食品)はアリソン・バンアイトバンク(ベルギー)に、それぞれストレート負けした。
第2日は女子シングルス1回戦で土居美咲(ミキハウス)がサラ・エラニ(イタリア)に6―7、1―6で敗れた。
■バックハンドのストレートが救う
4大大会でこれほどもどかしさを覚える錦織を見るのは、珍しい。ふくらはぎや腹筋に痛みを抱えているときならわかる。しかし、今回は懸念された右手首痛からの回復を公言して臨んだ全仏だ。
初対決だった21歳のコッキナキスは世界ランキングがなかった。10代から豪州で将来を嘱望されていたが、2年前の12月に右肩の手術をしてから、長らく戦列を離れていた。事実上、大舞台の復帰戦。そんな無欲の挑戦者に、錦織は第1セットを奪われた。フォアのストロークに伸びがなく、バウンド前におじぎするショットが散見された。
窮地に頼りになったのは、精度の高さを維持した得意とするバックハンドのストレート。相手が12個積み上げてくれたダブルフォールトにも救われた。初戦から3時間超えの持久戦。蒸し暑さがひどくなかったのは幸いだった。(稲垣康介)