中日の又吉克樹
(6日、中日3―0ロッテ)
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最後までマウンドを一人で守りきった。中日の又吉が初完投で初完封。「1イニングでも長く投げたい、その気持ちしかなかった」。無傷の4連勝。プロ4年目の26歳が、チームの完封一番乗りになった。
低く、丁寧に。制球力が光った。最速146キロの直球がさえ、変化球はこのスタジアム特有の風に乗って打者の胸元に食い込んだ。4四球は出したが、不運な内野安打を除けば、まともに打たれた安打は五、九回の2本だけ。三塁すら踏ませなかった。
沖縄出身。四国アイランドリーグplusの香川からドラフト2位で入団。昨季まで中継ぎとして3年連続で60試合以上に登板した“鉄腕”だ。昨秋のキャンプで2千球以上を投げ込み、今季から先発に転向。1試合で100球以上を投げたのは今年のオープン戦が初めて。前回から中9日での先発だったが、その間にも中継ぎとしてブルペンに入った。
危機感が、自らを奮い立たせている。先発ローテーションには若手が台頭しつつある。先週は21歳の鈴木が3勝目を挙げ、19歳の小笠原が今季初勝利。ドラフト1位新人の柳(明大)も力を発揮した。「毎回、ラストチャンスだと思っている。1回ミスったら終わり。負けたくない。いい結果で、生き残れたかな」
巨人が敗れたため、チームは開幕直後以来の4位に浮上した。その立役者で125球を投げた右腕は、「次こそ大切」と自分に言い聞かせた。(野田枝里子)
○森監督(中) プロ初完封の又吉について、「1人で投げ切るのは当たり前だろ。無駄な四球とかはあったけどな」。
○友利投手コーチ(中) 「又吉は中継ぎもできる。先発がだめなら中継ぎという危機感の中で結果を出したことに意味がある」