漫画「特定秘密保護法案」(C)ぼうごなつこ(ぼうごなつこさん提供)
「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案を4コマ漫画にして、インターネット上で公開した漫画家がいる。作品は反響を呼び、SNSを通じて拡散されている。「無関係、無関心と思う人も共謀罪の問題点に気づいて」。そんな作者の思いが、4コマに込められている。
作者は、ぼうごなつこさん(43)。横浜市に住む漫画家兼イラストレーターだ。
作品は、菅義偉官房長官と一般市民が想像する「共謀罪」の適用対象に違いがあるのではないか――という見立てで描かれている。
法案審議では一般市民が捜査対象になるかどうかが焦点の一つになっているが、摘発要件とされる「組織的犯罪集団」などの定義のあいまいさが指摘されている。漫画では安倍晋三首相に「誰が一般人かは私たちが決めます」と語らせた。
漫画ができたのは、菅官房長官が記者会見で共謀罪を取り上げた1月。「政府が検討しているのはテロ等準備罪」「一般の方々が対象になることはあり得ない」と発言したことを受けて、描いた。
自分のブログで公開すると、ツイッターなどのSNSで紹介されていった。ぼうごさんによると、自分でも1~4月に13回、ツイッターでこの漫画を紹介する投稿をすると、延べ計18万人以上が見たという。
ぼうごさんは「共謀罪は何をしたら罪になるのかわからない。おかしいと思うことに、黙ってはいられなかった」と、描いた動機を話す。
元々、政治への関心は薄かった…