昨年の阿波おどり。123万人(主催者発表)が訪れたという=徳島市
阿波おどり期間中(8月12~15日)の宿不足を緩和するため、徳島市は、市民に自宅の空き部屋などを提供してもらう「イベント民泊」を活用する。今月末まで受け入れ先を募集している。
「イベント民泊」は、祭りなどで宿泊施設が足りなくなる期間に限り、旅館業法に基づく営業許可を受けずに、自宅などを宿として提供できる制度。
阿波おどり期間中の受け入れは8月11~16日(16日はチェックアウトのみ)。宿泊客1人あたりおおむね2畳程度のスペースを確保できることや、住宅用火災警報器を設置していることなどが条件。食事は提供できない。受け入れられる宿泊者は期間中1組だけ。同じ宿泊者の連泊は可能。住民が女性だけの家が宿泊者を女性に限定することや、「外国語対応はできない」といった条件をつけられる。宿泊料金は受け入れ先が決める。
書類や訪問などの審査を経て、受け入れ先に決まれば、7月以降に無料の講習会を受けて、宿泊者への接し方や関連法規などを学ぶ。宿泊者の募集には、特設ホームページ(HP)を活用できる。
申込書類は、市観光課のHP(
http://www.city.tokushima.tokushima.jp/kankou/event/
)から入手できる。問い合わせは市の業務委託を受けている人材大手パソナの「徳島市イベント民泊運営事務局」(メールevent-minpaku@pasona.co.jp、電話03・6734・1118)へ。
■昨年123万人来場、宿泊施設は3400室
県観光協会のまとめでは、市内で営業するホテルや旅館は昨年度の概算で約3400室あり、計6100人程度を受け入れられる。一方、昨年の阿波おどりの来場者は123万人(主催者発表)にのぼった。毎年、宿泊施設はほぼ満室となり、観光客から苦情も出ているという。
こうした状況を改善しようと、市は県旅館ホテル生活衛生同業組合に理解を得た上で、初めて「イベント民泊」の実施に踏み切った。
市観光課の担当者は「受け入れ数の具体的な目標は設けていないが、多ければ多い方が良い」と話す。ただ、すでに「イベント民泊」を始めている青森県や福島県では、受け入れ先の確保に苦戦しているのが実情。自宅に他人を泊めるということへの抵抗感が背景にあるとみられている。(鈴木智之)
■説明会日程
説明会の日程は次の通り。
17日=国府コミュニティセンター(午前10時)▽八万中央コミュニティセンター(午後2時)
18日=川内公民館(午前10時)▽中央公民館(午後2時)
19日=内町コミュニティセンターアミコ館(午後2、6時半)