観光庁は、国内のホテルや旅館の延べ宿泊者数を集計する「宿泊旅行統計調査」の対象に、新たに住宅に泊まる「民泊」を来年1月にも加える方針を固めた。あわせてラブホテルの追加も検討する。訪日外国人客の利用が増えている施設を調査対象に含め、より実態に近づける。
宿泊旅行統計は、1万8千軒前後のホテル・旅館へのアンケートをもとに毎月末に公表している。最近の調査では外国人の宿泊者数が伸び悩んでおり、高い伸びが続く訪日客数とのずれが指摘されていた。
観光庁は、無届けの違法な民泊の広がりの影響が大きいとみている。民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」の昨年の延べ利用者数は370万人超で、外国人延べ宿泊者数の5%に相当する。26日に衆院国土交通委員会で審議入りした住宅宿泊事業法(民泊新法)案が成立すれば、民泊事業をする施設は自治体への登録が義務づけられ、自治体を通して利用者数をつかめる。日本人の利用者も集計対象にする予定だ。
ラブホテルは、旅行客の利用や出張時の利用の広がり具合を踏まえ、集計対象にするかどうか決める。船内に泊まれるクルーズ船も訪日客に人気があるため、利用者数を参考値として示し、訪日客数とのずれを説明できるようにする構想がある。(森田岳穂)