7日、国会での人事聴聞会で答弁する康京和氏(東亜日報提供)
韓国大統領府は18日、外相に女性の康京和(カンギョンファ)・元国連事務総長特別補佐官を任命すると発表した。韓国で女性外相の誕生は初めて。康氏は学者出身で、外交通商相(当時)補佐官を経て、2003年から国連で勤務し、グテーレス現事務総長の特別補佐官も務めた。
与党関係者は、康氏の起用について「女性で、(エリートの典型と言われる)外交官試験合格者でもソウル大出身でもない。文在寅政権の改革姿勢を示すために絶好の人材」と語った。
ただ、康氏は今月上旬に開かれた国会の人事聴聞会で、外交政策について不明確な答弁を連発。実際に住んでいない場所を居住地として届け出る「偽装転入」など過去の不祥事も発覚した。一方で2日には、元慰安婦らが共同生活を送るナヌムの家(京畿道広州〈クァンジュ〉市)も訪れ、「政治的な行動」との批判も浴びた。
野党は「外相として不適格」として、国会同意にあたる人事聴聞会の報告書採択に応じなかった。文政権が野党と対決路線を取ったことで、雇用対策や南北対話など、文政権が重視する政策の遂行はかなり難しくなったと言えそうだ。(ソウル=牧野愛博)