韓国国防省で公開された北朝鮮無人機=21日午前、李聖鎮撮影
韓国国防省は21日、北部で9日に見つかった小型無人機が北朝鮮偵察機だったと発表した。北朝鮮から離陸し、米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD〈サード〉)などを撮影して戻る途中、燃料不足で墜落した。生物化学兵器を搭載できるほか、巡航ミサイル開発の一環だった可能性もあるという。
韓国北部の山中に北朝鮮軍無人機か 日本製カメラ搭載
無人機は2014年に白翎島(ペンニョンド)で見つかった機体と似た構造だが、エンジンや機体が大きくなり、航続距離が500キロ以上に伸びた。香港で入手した中国製の機体を改造した可能性がある。エンジンにチェコ、飛行操縦コンピューターにカナダ、全地球測位システム(GPS)に米国、GPS受信機にスイス、カメラと無線操縦受信機に日本、駆動機に韓国の製品をそれぞれ使っていた。
軍事境界線から約7キロ離れた北朝鮮江原道金剛郡(カンウォンドクムガングン)から発進し、高度2・4キロを最高時速90キロで飛行し、南へ266キロ離れた場所まで飛行。そこで引き返し、北上する途中に墜落した。
翼長は2・86メートル、全長1・85メートルだった。3メートル以下の大きさの物体をレーダーで探知するのは難しい。カメラなどを外せば3キロ程度の爆薬や生物化学兵器も搭載できる。北朝鮮は計551枚の写真を撮影していた。巡航ミサイルの飛行に必要な3D地図データを集めていた可能性もある。(ソウル=牧野愛博)