報道陣に囲まれながら防衛省を出る稲田朋美防衛相=28日午後5時44分、東京都新宿区、竹花徹朗撮影
「防衛省、自衛隊としてもお願いしたい」。東京都議選(7月2日投開票)の自民党候補の集会で、稲田朋美防衛相が失言した問題は28日、他党の街頭演説で一斉に批判を浴びた。もともと逆風に悩む自民はさらに防戦を強いられ、憤りの声も漏れる。自衛隊の選挙利用との批判がある大臣発言に、隊員らも冷ややかな目を向ける。
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■自民陣営、都議選逆風「責任持って」
「なぜ自衛隊を自民党の応援団体のように扱うのか。この方にわが国の防衛は任せていられない」。28日午後、民進党の蓮舫代表は東京都渋谷区での都議選候補の応援演説で、稲田氏を強く非難した。世田谷区で演説した同党の野田佳彦幹事長も「(自衛隊は)言うことを何でも聞くと思っているんだろう。権力の私物化だ」と攻め込んだ。
豊島区の街頭に立った共産党の志位和夫委員長は「言って良いこと悪いことの判断がつかない人に防衛相をやらせて良いのか。罷免(ひめん)しないなら首相も同罪だ」。地域政党「都民ファーストの会」代表で元防衛相の小池百合子都知事は同日午後、報道陣に「(稲田氏の発言は)あり得ないと思う。政府と党(の立場)の区分けはきっちりしないといけない」と話した。同日夜、品川区での演説では、稲田氏の問題には触れなかったが、「国の方の政治も随分がたがたしている。お友達ばかりでやっていると、こういうことになる」と安倍政権を批判した。
他党の攻勢が激化するなか、安…