包頭広恒農民専業合作社の李旺栄理事長は取材に、「メロンは夏の生産量が多いが低価格だ。冬になると価格が上がるが生産量が少ない。春節の販売シーズンを待たず収穫が終わることが多い」という長年にわたる技術問題に悩まされてきたと語った。

農業に難題があれば、科学技術特派員が支援に駆けつける。中国科学院包頭希土研究開発センターのインキュベーション企業である中科瑞豊科技有限公司が持つメロン補光技術が今年、活用された。

包頭市科学技術特派員で、中科瑞豊の秦新苗社長は2年間にわたり、広恒合作社を何度も視察した。秦氏は、合作社の温室は保温状況が良好で、農家の栽培水準も高いが、北半球の冬は日差しが弱く、曇や雪の日が多く、さらにフィルムの使用期間が長すぎ透光率が低いことに気づいた。そこで秦氏は、温室内の深刻な日照不足が、冬のメロンの着果率が低く生産量が少ない直接的な原因という結論を導き出した。

秦氏は昨年テスト内容を確定すると、哈業胡同の温室内のメロン栽培に特化した冬季メロン補光技術規程を作った。そして現場で補光ライトの設置を指導し、自動制御パラメータを設定した。補光ライトは温室内の日照の変化に基づき自動的に補光し、正確で十分な補光を実現した。

冬入り後のテストデータによると、補光を行っていないメロンと比べると、補光を行ったメロンはすくすくと育ち、開花が約15日早まった。着果率が約60％に上がり、メロンの生産量が倍増した。春節の販売シーズンに、メロンを500グラムあたり35元でやすやすと販売できる。

補光の秘密はどこにあるのだろうか。秦氏は「燈心に希土類発光材料を加えた。植物に応じて異なるスペクトルに調節できるだけでなく、光電変換率も大幅に高まった。こうしたライトがこれほど不思議な効果を持つのは、希土類元素が大きな役割を発揮しているからだ」と説明した。

李氏は、補光技術がメロンの収穫シーズンを延長し、ブランド発展と果物農家の増収に対して大きな意義を持つことを深く実感した。李氏は昨年10月に早いうちに同社と連絡を取り、温室を5つ追加しメロンの補光を行った。今年の春節期間中、果物・野菜市場は感染症の打撃を受けたが、合作社のメロンは引き続き大人気だった。5つの温室のメロンが1週間で売り切れ、合作社の収入が十数万元増加した。（編集YF）

「人民網日本語版」2020年12月8日