龍谷大平安の山本凌平主将(左)と原田英彦監督=6月21日、京都市伏見区
第99回全国高校野球選手権の地方大会が各地で始まっている。来夏は100回とあって、深紅の大優勝旗も新調されるなど早くも注目される。されど、今夏が最後の大会となる3年生たち「99回世代」は、「99回大会も1回しか無い大会」と闘志を燃やす。
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1915(大正4)年に始まった選手権大会は、戦争による中断を経て今年は99回となる。100回記念大会となる来年は、史上最多の56代表となり、甲子園優勝校に贈られる大優勝旗も、3代目がお披露目される予定だ。
100回大会で最上級生となる現2年生たちは、内外野をこなし速球も投げる大阪桐蔭の根尾昂選手や、早稲田実(西東京)の4番野村大樹選手など注目選手も多く、「100回世代」などとメディアでも取り上げられている。
一方、今夏の99回大会にかける3年生たちの多くは1999年生まれ。「9」に縁のある選手も多く、目の前の戦いを勝ち抜こうと気合をみなぎらせている。
龍谷大平安(京都)は、春夏合わせて甲子園に73回出場し、積み上げた勝利数は99勝。今年5月には、これまでの戦績をたたえて龍谷大平安ボールパーク(京都市伏見区)に記念碑が建てられた。
原田英彦監督(57)は「100回大会は大切な大会で絶対甲子園に行きたいが、100勝はこのチームで達成したい」と話す。99回世代の山本凌平主将(3年)は「平安にとって歴史的な100勝は自分たちの代で達成する。そして、後輩にも甲子園で同じように活躍して欲しい」と意気込む。
今春の選抜大会で優勝した大阪桐蔭は春夏連覇を狙う。福井章吾主将(3年)は「一度きりの99回大会も素晴らしい大会になるだろう。記念大会で後輩たちに頑張ってもらうためにも、夏の甲子園に出て経験を伝えたい」と「100回世代」に思いを託す。
この夏注目の強打者で、履正社(大阪)の安田尚憲選手(3年)は「出る大会を選べるなら100回の方が記念大会で良かったかな」と笑いつつ、「99回も最高の舞台であることは同じ。自分にとっては99回が最後の戦い。悔いの残らないようにしたい」と話す。
近畿では8日に大阪、京都、兵庫大会が、9日に奈良、滋賀大会が、13日に和歌山大会が開幕する予定だ。(吉川喬、半田尚子)