広島、長崎への原爆投下から72年。7日、米ニューヨークの国連本部で「核兵器禁止条約」が採択された。
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被爆地では、条約が実効性を伴うものになるよう求める声が上がった。
「核保有国も非核保有国も、すべての国がこの合意を歓迎するべきです」。広島市の松井一実市長は、こう記した平和首長会議会長としてのコメントを発表。8日午前には報道陣の取材に「『仏作って魂入れず』とならないよう行動していきたい」などと述べた。
長崎市の田上(たうえ)富久市長は同日、「国連加盟国の6割を超える国々の賛成で核兵器を違法とする条約が誕生することで、核兵器廃絶に向けた大きな機運が生まれることを期待する」とするコメントを発表。一方で、「唯一の戦争被爆国である日本政府が関わっていないことは、被爆地として非常に残念」とし、「核保有国に核軍縮を促すためのリーダーシップを発揮するよう求める」と注文をつけた。
広島県原爆被害者団体協議会の坪井直(すなお)理事長(92)は「被爆者の長い間の念願がやっと具体的な形に現れた。とはいえ、条約の内容が実際に効力を持つまでには困難が横たわっている」とのコメントを出した。