インタビューに答える榊原英資・旧大蔵省元財務官=東京都港区
タイ・バーツの暴落に端を発した「アジア通貨危機」から20年。旧大蔵省の榊原英資・元財務官に聞いた。
中国vs.日本、金融綱引き アジア通貨危機から20年
アジア通貨危機から20年 韓国企画財政省の宋氏に聞く
――アジア通貨危機に直面していた1997年、日本政府はアジア通貨基金(AMF)の設立を提案しました。
「国際通貨基金(IMF)の対応に非常に不満だった。危機のさなかに構造改革や変動相場制への移行を迫るなど、原理主義的な対応をとったからだ」
「それなら世界銀行に対してアジア開発銀行(ADB)があるように、IMFに対してAMFがあってもいいだろうと。しかし、米国が強硬に反対した。米国はIMFを通じて影響力を行使する。AMFができると、影響力が大きく低下すると恐れたのだろう」
――中国も不支持に回りました。
「米国のルービン財務長官(当時)らが中国に電話をして、不支持に回るよう強く説得したようだ。中国はやはり大国意識があるので、きちんと根回ししないといけなかった」
――その後の協力の進展をどう評価しますか。
「チェンマイ・イニシアチブや…